ローンに関するコラム

国の教育ローンを上手に活用するための方法とは?

「教育ローンの中でも国の教育ローンが金利が低いと聞くけど、良いのは金利だけ?」
教育ローンには、大きく2種類に分けられます。
国が取り扱う公的な「国の教育ローン」と、銀行など民間金融機関が取り扱う「民間の教
育ローン」です。
国の教育ローンは、民間の教育ローンよりも低金利となっており、更に一定の条件を満た
す方の場合は、条件を優遇してもらうことも可能なため、誰でも利用しやすく頼もしい教
育ローンです。
今回は、国の教育ローンの特徴と上手に活用するための方法について紹介します。

国の教育ローンの特徴とは?

国の教育ローンで借り入れしたお金は、必要な教育関係への費用として使用することができます。大学や高校、専門学校などといったような学校へ支払うお金だけではなく、住居費用や教材費、または国民年金保険料などへの利用も認められています。

次に、国の教育ローンの特徴や上手に活用するための方法などについてご紹介します。

申し込み条件について

国の教育ローンの利用条件はたった1つです。
「融資の対象となる学校に入学または在学している方の保護者であること」

利用条件である「融資の対象となる学校」というのは下記の内容になります。

  • 大学、大学院(法科大学院など専門職大学院も含)、短期大学
  • 専修学校、各種学校、予備校、デザイン学校
  • 高等学校、高等専門学校、特別支援学校の高等部
  • 外国の高等学校、高等専門学校、短期大学、大学、大学院(原則6か月以上の留学に限
    る)
  • その他職業能力開発校などの教育施設など

特に年齢への制限はありませんが、修業年限が原則6ヵ月以上で、義務教育期間が完了した
中学卒業以上の方が対象となります。
さらに、国の教育ローンは下記のように子供の人数によって対象となる世帯収入の上限金
額も異なっています。

子供の人数 世帯年主の上限額
1人 790万円(※990万円)
2人 890万円(※990万円)
3人 990万円
4人 1,090万円
5人 1,190万円

※子供が2人以内の場合は下記のいずれかに当てはまる場合は上限額が穏和されることに
なります。
<穏和条件>

  • 勤続(営業)年数が3年未満
  • 居住年数が1年未満
  • 世帯の誰かが自宅外通学(予定)者
  • 借入申込人またはその配偶者が単身赴任
  • 今回の融資が海外留学資金
  • 借入申込人の年収(所得)に占める借入金返済の負担率が30%超
  • 親族に「要介護(要支援)認定」を受けている方がおり、その介護に関する費用を負担
  • 大規模な災害により被災された方

次に、国の教育ローンのスペックについて紹介します。

国の教育ローンのスペックについて

固定金利 1.81%(1.41%)
返済期間 最長15年(18年以内)
利用限度額 子供一人につき350万円まで(450万円以内)
返済方法 元金と利息合わせた毎月の返済(元利均等返済
保証 ・教育資金融資保証基金

・連帯保証人
※いずれか選択可能。

固定金利

年1.81%と固定金利なため返済プランがたてやすい。
母子家庭、父子家庭、世帯年収200万円以内の方、または子ども3人以上の世帯で世帯年収
500万円以内の場合は年1.41%の固定金利となります。

返済期間

交通遺児家庭、母子家庭または父子家庭、世帯年収が200万円または子供が3人以上の世帯
で世帯年収が500万円以内の方は返済期間が延長され18年以内となります。

利用限度額

外国の短大・大学・大学院に6ヶ月以上在籍する場合であれば、450万円以内まで利用が可
能となります。

返済方法

最大で融資額2分の1までのボーナス月での増額返済も可能です。

保証

教育資金融資保証基金または連帯保証人から選ぶことができます。
教育資金融資保証基金 連帯保証人に代わって融資の保証をする機関で、融資額や返済期間に応じた保証料を融資金から一括で支払うことになります。
連帯保証人 進学者・在学者の4親等以内の親族であることが条件になります。

所得が低い世帯でも低金利なため、安心して融資が受けることができる「国の教育ローン
」ですが、返済方法を工夫することで、更に返済が楽にすることも可能になります。
次に、国の教育ローンの返済方法についてご紹介します。

在学中は利息のみの支払でOK

国の教育ローンは在学期間中、利息のみを支払うといった返済方法を選択することができます。
そのため余裕のある返済が可能です。
しかし、在学中に利息のみを支払った場合どれくらい返済金額に影響するのかが気になりますよ
ね?
そこで返済シミュレーションをしてみましたので参考にしてみてください。

「国の教育ローン」返済シミュレーション

<条件①>100万円を借りて10年間で返済した場合

月々の返済額 9,200 円
利息のみ返済期間の返済額 0円
1年間の返済額 110,300 円
返済総額 1,093,200 円

 

<条件②>100万円を借りて10年間で返済した中で、在学中の4年間は利息のみを支払った場合

月々の返済額 14,700 円
利息のみ返済期間の返済額 1,600 円
1年間の返済額 176,100 円
返済総額 1,128,500 円

このように100万円を借りて10年間で返済した場合は、4年間の利息のみの期間があるのとないのとでは、約35,000円の返済額の差になります。
国の教育ローンは金利が低いため、在学中の4年間を利息のみの返済にしたとしても、それほど返済総額には影響されないため、ゆとりのある返済プランを立てることが可能です。

次に奨学金と国の教育ローンを組み合わせた場合について紹介します。

教育ローンと奨学金を合わせる事も可能

奨学金と教育ローンの利息の仕組みの違いをご存知ですか?
奨学金とは、能力があるのにもかかわらず、経済的な理由で就学が困難な学生を国や自治
体、大学が支援するための制度です。
実は、奨学金は在学期間中には利息が発生しません。しかも、教育ローンのなかでも一番
低い国の教育ローンに比べても更に低い金利になっています。

奨学金 国の教育ローン
金利 固定0.23%/見直し 0.01%
(2017年4月貸与終了者)
1.81%
(2,017年4月現在)

 

教育ローンと奨学金の特徴を上手く活用

教育ローンだけで全額融資をしてもらうのではなく、奨学金も含めた金額でお金を借りて返済をすることで、最終的に支払う利息が少なくて済みます。
奨学金は在学中に返済する必要がないので、在学中の返済は国の教育ローンの支払のみとすることができます。奨学金の場合は返済が開始されたとしても金利が低いため、国の奨学金で全額を借りるよりも、支払う利息を削減することが可能となります。
但し、この返済方法を行うためには家族で協力することが大前提となります。

それは奨学金の場合、借主となるのが学生本人となるため、卒業後の返済も基本的には学
生本人が行わなくてはいけません。そのため、親子でよく話合い、どの方法が一番家族にとって良いのか相談して決定するようにしましょう。
このように低金利で頼りのなる国の教育ローンですが、借金であることは変わりありません。
もし何か事情があって返済することができなくなった場合にはどうしたら良いのでしょうか?
次にどうしても教育ローンが返済することができなくなった場合の解決方法についてご紹
介します。

 

国の教育ローンが支払えなくなった場合の対処法

いくら低金利な教育ローンや奨学金であっても、病気にになって働くことができなくなっ
たり、身内の介護で働くことができなくなったりと、長い人生の中でどんな理由で返済す
ることができなくなってしまうのかなんて誰にもわかりません。

しかし、借金をした以上は返済をしなくてはいけません。
どうしても返済することができない場合は法的な解決手段で債務整理という方法がありま
す。この手続きを行うことで借金が全額免責にすることが可能であったり、借金を減額し
てもらうことが可能となります。

「国からの借金なのに債務整理することなんてできるの?」と思うかもしれませんが、国
からの借金も銀行や消費者金融からの借金も全て公的に解決することが可能です。

個人再生で借金が5分の1までに減額も可能

まず借金を整理するためには個人再生が良いでしょう。
個人再生は、裁判所を通じて債務を減額してもらうことが可能な手続きです。しかも、弁
護士や司法書士に依頼することで、依頼直後から債権者からの取立てや返済をストップす
ることができます。
個人再生を行うことで、大切な財産である住宅を処分する必要なく借金を「3分の1~5分の
1」に免責してもらうことが可能です。
住宅ローンは処分の対象外となるため返済し続けなければいけませんが、それ以外の借金
に関しては大幅に減額が期待できるため頼りになります。

どうしても支払いが無理なら自己破産

それでも、どうしても支払いができない場合は自己破産があります。
自己破産と聞くと全ての財産を失ってしまうといったイメージがありますが、全くそうい
った事実はありません。
自己破産をすることで財産と引き換えに借金を全て免責することができますが、下記のよ
うな財産は処分の対象とはなりません。

処分の対象外となるもの ・99万円以下の現金
・20万円未満の価値のもの
・生活に必要な家電や家具(テレビや冷蔵庫
など)
・仕事に必要な道具など(職人道具やパソ
コンなど)

このように生活に必要なものはほとんど処分の対象とはなりません。
個人再生も自己破産も、破産手続きをしたことによって家族や身内に取立てや財産の処分
などを請求されることもありません。債務整理はあくまでも個人の問題のため個人の財産
のみで解決することになります。

個人整理や自己破産が決して間違ったことではありません。
しっかしりと法律で定められた正しい手続きなので、どうしても返済が難しい場合は法的
な解決策に頼ってみるのも1つの手段です。

まとめ 国の教育ローンについて

国の教育ローンを利用することで、低金利で安心して教育ローンを組むことが可能です。
しかも、一定の条件を満たす方は、更に金利や融資の条件など、返済期間まで優遇される
ため安心して利用することができます。
そして、更に金利の低い奨学金と共に利用することで支払う利息を削減することが可能な
ので、とても助かります。
教育ローンの中でも特に金利が低い国の教育ローンですが、更に上手に活用するためにも
家族で協力して節約していくことをおすすめします。

ABOUT ME
監修:山内 貴文
株式会社山内FP事務所代表。北海道大学経済学部卒。日本FP協会上級資格・FPSB国際認定資格、1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格) 金融、貯蓄、ローンなど人生のお金に関わる相談になんでも乗ります。